対談
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「社会のリソースを、食い潰さない」
鳥居社長の経営哲学と、
これから集まる仲間
なぜ、はちみつ業界の
持続可能性まで考えるのか
- 坂井
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そもそも、先ほどのお菓子の新規事業『L'ATELIER DU MIEL TORII』の話も含め、鳥居さんが、はちみつ業界の未来まで考えているのは、なぜなのですか?
- 鳥居
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私は昔から、社会のリソースを、ただ食って終わりたくないな、と思っていて。それは会社的にも、一番最初から意識していることなんですよね。
たぶん私の中では、二つ理由があります。一つは、私はどちらかというと裕福な家庭に育ったと考えているのですが「自分は下駄を履いているな」という意識が、どこかでありました。それが嫌だな、という思いが、どこかにあって。だから、その分を返さないといけないんじゃないか、と。それはすごく小さい頃からあったな、と思います。
もう一つは、私、すごく歴史が好きなんですよ。大学院でも歴史をやっていましたけど、歴史を勉強していてすごく思うのは、歴史は、その瞬間、その瞬間の人が、少しでも世界を良くしようと思ってきたことの集積なんですよね。
過去の人々の「ちょっとでも世の中を良くしよう」というバトンが無数につながってきて、その延長線上に自分が生きているんだ、と思うと、なんかやらないといけないじゃないですか。その範疇内で、ちょっとでも世界を良くしないといけないなと思って。
今の日本って、経済活動もしやすい環境ですし、教育もしっかりされた人材が送り出されてくる。これは社会から与えられているリソースじゃないですか。それにちゃんとプラスを返せているかな、というのは、ずっと意識しています。
- 坂井
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そういう思いがあるのですね。逆に、「こんな会社には絶対にしない」「こんな経営者には絶対にならない」という像はありますか?
- 鳥居
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そうですね。リソースを食っている、という捉え方なんですが、事業でもそうですし、ある種、人材を使い潰しているような経営を避けたいと考えています。それは社会にマイナスだな、と考えています。
- 坂井
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例えば、経営者が儲けるために生産量や生産性の目標を社員に課して、社員の心が擦り切れていく、こういうのは違う、ということですよね。
- 鳥居
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そうですね。それは分かりやすく邪悪な例ですけれど、あとは、もう席に居座っちゃっていて、チャレンジしない、というのも、広く見るとリソースを食っているのかな、と思っています。そのポジションを開けてくれたら、もっと余地があるのに、というか。
- 坂井
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例えば、やまと蜂蜜さんがはちみつ業界で稀有な位置を占めているのに、業界の発展に対して何もしない、というのは違うんじゃないか、ということですね。
- 鳥居
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そうです。例えば、スポーツでも、大御所がポジションを占めてしまっていて、若手にそこを出してあげたら、もっと良くなるのに、という状況もあると考えており、業界の大手ポジションに鎮座しているだけで、業界の持続性・発展性に繋がる動きを取らないのは違うかなと思っています。
- 坂井
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だからこそ、『L'ATELIER DU MIEL TORII』にもチャレンジしているのですね。『次の世代に、より良い形でバトンを渡す』を意識しているからこそ、組織づくりにも注力されているのだと思いました。
29歳で社長になって、
変えたこと/変えなかったこと
- 坂井
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29歳で社長に就任されてから、変えたことと変えなかったことには、どんなことがありますか?
- 鳥居
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変えなかったこととしては、当社のスタッフはみんな人柄が良いと思っていて、真面目で、人のことも自分のことのように考えてチームで一生懸命やってくれる。そこはめちゃくちゃ良い部分だな、と思っているので、変えないようにしたいと思っています。
一方で、どうしても変わることに対して少し苦手だったり、新しいことにチームとしてトライしていく、というところが少し弱かった部分があったかな、と思っていました。実際、現場レベルでは新しい取り組みをやっているんですよ。ただ、それが全体の動きとして上がる時に、「リスクはどうなるんだ」みたいなところがあったので、そういうところは変えていきました。
- 坂井
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どういう変え方をされたのですか?
- 鳥居
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私が代表になった前後ぐらいで、大きな案件が一つ来ていて、具体的には約1億円の設備投資が必要な案件だったんです。社内では反対意見もありました。ただ、私も事実ベースで分析するのが好きなので、ちゃんと数字を弾いて計算しました。私も結構ビビるタイプなので、本当にダメになった時の最悪のシナリオがどうなるかとか、かなり準備して、「でも行けるだろう」ということで、トライしたんです。
結果、売上も利益も良くなって、一つ成功体験が抜けた瞬間だったかな、と思います。今までの一つの正義が、いい意味で反転した瞬間でした。社内で流通しているストーリーが、急に変わりましたね。

- 坂井
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何の設備投資だったのですか?
- 鳥居
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コーヒーの設備です。中国でコーヒーバブルがあって、スタバとかが流行って、「若い中国人が欧米のコーヒーいいよね」となって、コーヒーの需要があったタイミングで。一過性かもしれない、という議論もあったんですが、落ちたら落ちたで「何とかするしかないし」ということで、設備投資をしました。
- 坂井
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計算はするけれど、行けそうであれば、過去の風習にはこだわらない、ということですね。鳥居さんは、安心を作った上で、積極的にチャレンジをしていく経営をされているのだと思いました。「現場の実験文化」についても、安定した経営があるからこそ、推奨できているのかもしれませんね。
どんな人に来てほしいか
- 坂井
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これからのやまと蜂蜜には、どんな人が来てくれると嬉しいですか?
- 鳥居
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一番は、他人のことも何でも自分ごとで楽しめる人が来てくれるといいな、と思っています。
- 坂井
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「自分ごとで楽しめる」というのは、実は今日の対談でも何度か出てきた言葉なんですよね。これにこだわっているのは、なぜなのでしょうか?
- 鳥居
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シンプルに、そのほうが楽しいんじゃないかな、と。私自身、仕事は楽しいなと思うし、会社も楽しいなと思うんですが、それって「どこまで自分ごとにできるか」次第だと思っていて。範囲を勝手に広げたほうが、楽しい。
あとは、自分の人生のハンドルを、自分でちゃんと握っている人がいいな、とも思います。結局、もちろん、私がリーダーシップを取らないといけないところはあるんですけど、最終、私に正解を聞かれても分からない、というか。「みんな次第」とも考えています。
- 坂井
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「だけじゃない!やまと蜂蜜」って、本当に良いフレーズだと思っているのですが、変に凝り固まらなくていいよ、ということなんでしょうね。
- 鳥居
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そうですね。手段は別に、ある程度なんでもいい、と思っているので。チームのことをちゃんと大事にしつつ、お天道様に顔を向けられる事業なら、なんでもいいんじゃないかなと思っています。
会社の一番の魅力
面白さと、思いやり
- 坂井
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最後に、候補者の方に、ここが会社の一番の魅力だ、と思うところを伺いたいのですが——これはあえて、鳥居社長ではなく、社員の和田さんと、家根谷さんにお聞きしたいんです。いかがでしょうか。
- 和田
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そうですね。私が大切にしているのは、高杉晋作の言葉で「おもしろき こともなき世をおもしろく 住みなすものは 心なりけり 」というものなんです。やっぱり、面白いことをやりたい、というのが自分の中にあって。
もう一つは、母親から「思いやりを持って」「相手の気持ちを考えなさい」と小さい頃から言われてきたところがあって、これも自分の中に染み込んでいる考えなんです。
やまと蜂蜜には、「実験」と「思いやり」の文化があって、そこが自分にぴたっとハマっているな、と感じています。経営者のお二人も「好きなことをやっていいよ」と言ってくださって。
- 鳥居
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インスタに展示会の写真が上がっているんですが、それも和田が作ったパロディポスターなんですよ。和田は、勝手にいろんなことをやってくれています(笑)。
- 坂井
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家根谷さんは、いかがですか?
- 家根谷
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私目線になってしまうのですが、シングルマザーになり、「好きな仕事とか、できないだろうな」と思っていたんですよ。
それが、ここでは結構いろいろ使ってもらえていて。広報もそうですし、これが逆に嬉しい、というか。熱で休んだりすることもありますけれど、それでも、やりたいこともやらせてもらっているので、感謝しかなくて、恩返しをしたいな、と思っています。
- 鳥居
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(家根谷さんは)面接に、子どもを連れて来られたんですよ。
- 家根谷
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それなのに、「いつから来れる?」という感じで、即座に採用していただいて。本当に感謝しています。
- 坂井
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いいですね! 「実験」と「思いやり」が、採用や働き方の中にまでにじみ出ているように感じます。

「だけじゃない!やまと蜂蜜」
- 坂井
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本日はありがとうございました。事業の話から組織の話、経営哲学まで、すべてが一本の線でつながっていて、面白い対談でした。
- 鳥居
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こちらこそ、ありがとうございました。
- 坂井
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興味のある方は、ぜひやまと蜂蜜さんの採用を受け「だけじゃない!やまと蜂蜜」に触れていただきたいと思いました。
